ヴァイオリンとヴァイオリン音楽



第二楽章 ヴァイオリン解体新書


(Mr。ビーハイブ楽師の話題メモ帳)

(その4)松  脂

 II、松脂 「rosin or resin」

 松脂が擦弦楽器の演奏に使用され始めたのは、すでに中世期頃であったと言われている。

弓毛の項で述べた様に、松脂は擦弦楽器を連続的に発音させるためには欠かせないものなのである。
 つまり弓毛(Horse Hair)のキューティクルの部分に松脂がこびり付いて、弦をうまく振動させて くれるからである。(決して滑らせる為では無く、むしろ滑り止めの役目を果たす。)
従ってよい音で演奏するためには、大変に重要なものであるにも拘わらず、弦楽器奏者の中には、 松脂に大きな関心を払う人は比較的少ないと言われている。
 松脂はその名の通り松の樹脂を採取して、精製したものであるが、もう一つ木そのものから樹脂を 蒸留して抽出したものがある。

 樹脂を採取して精製したものをRosinと言い、ヴァイオリン(以下、Vn)にはこのRosinが使われる。木材から蒸留したものは Wood Resinという。(イギリスでは、いずれもResinと言うようである。)

 精製法とか調合法はノウハウであって、それぞれの製作者の秘密事項になっているが、松脂の中に パラフィン・オイル・蜜蝋あるいは鉱物油を混入することがあるらしい。
 この松脂は温度差によって大きく影響される様である。つまり、夏には柔らかくなって弦にこびり 付き易くなり、冬は硬化して脆くなる為に弦につき難くなる。

 柔らかくて、べとつく松脂を使うと、弦への引っかかりは増すが、音がざらつく可能性があり、 摩擦が強くなるために、弓がスムーズに動かない事があり得る。逆に硬く、さらさらした松脂は 弓毛につけても充分な引っかかりが得られない可能性がある。
 従って冬と夏、新しい弓毛と、使用中の弓毛等の状況によっては、臨機応変に硬軟の松脂を使い 分ける事が必要である。

使用上の注意事項;弓毛に松脂をつける際、必ず松脂を上に向けて、その上を
  弓毛でゆっくりと軽くすりつける。ごしごしとすりつけたり、弓を速く動かせると、
 松脂が摩擦熱で溶ける可能性がある。また練習後は松脂の粉をきれいにふき取って
 おかないと、弦や楽器にこびり付いてとれにくくなる。(布はシルクの薄いものが
 最適である。)

  *********** ヴァイオリン(Vn)は本当に不可思議な楽器である!*******

平成14年7月16日  ***編集責任・錦生如雪***


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