ヴァイオリンとヴァイオリン音楽



第三楽章 ヴィオリニスト


(Mr。ビーハイブ楽師の話題メモ帳)

(その26)「日本のヴァイオリニスト」

バイオグラフィー(12)


101:豊田弓乃

 (1962/10/20(昭和37年)〜)ドイツ(ケルン)生まれ。
 ケルンで生まれ、幼少よりヴァイオリン(以下、Vn)を父豊田耕児に、そしてピアノを母元子より手解きを受ける。 11才で パリ王立音楽院に入学。Vnをジュウール・ジャリ、室内楽をジュヌヴィエール・ジョワに 師事。この間、全ドイツ青少年音楽コンクールVn部門で優勝。またシュタインウエイ・ピアノ コンクールでも一位になる。昭和53年に同学院の修士号を得て、首席で卒業する。

 その後メニューイン/ギンゴールド/セボック に師事して研鑽を積む他、ミルスタイン、 チューリッヒ講座に5年連続参加。16才の時ルツェルン国際音楽祭Vn・リサイタルに出演、好評を 博す。昭和55年第42回ジュネーブ国際音楽コンクールVn部門で最高位(一位なしの2位)を獲得。 翌昭和56年にロン・ティボー国際コンクールで4位入賞して注目を集める。

 翌昭和57年には8年振りに帰国して、日本でのデビューリサイタルを開いた。その後もドイツを 中心にヨーロッパで活躍、バンベルグ交響楽団のコンサートマスターを経た後、昭和63年ベルリン 放送交響楽団に移り、同時に「ベルリン弦楽三重奏団」を結成し、定期的に室内楽活動を行っている。 平成3年からローザンヌ室内管弦楽団の首席コンサートマスターを経て、現在はドイツのヴユルテン ベルグの首席コンサートマスターとして活躍している。
 その間長年にわたりアルトゥール・グルミオーに師事している。


102:篠崎史紀

 (1963/1/18(昭和38年)〜)北九州市生まれ。
 3才よりVnを始める。父、篠崎永育にVnの手解きを受けるが、早くから才能を発揮し、その後 田中玲子/江藤俊哉に師事。そして16才の時、昭和53年、第32回学生音楽コンクール高校の部で 優勝して注目を浴びる。 昭和54年北九州市民文化賞を史上最年少の17才で受賞。昭和56年に ウイーン市立音楽院に留学、トーマス・クリスチャン/イヴリー・ギトリスに師事。
 またバリリSQ/アマデウスSQのメンバーに室内楽を学ぶ。翌昭和57年にはウイーン・コンツエルト ハウスで同音楽院のオーケストラと共演してウイーンデビューを成功のうちに飾る。新聞紙上では、 彼の演奏について、「信頼性のあるテクニック、遊び心のある音楽性、真珠を転がす様な丸く 鮮やかな音色」と絶賛される。

昭和58年、ヴィオッティ国際Vnコンクール室内楽部門で第3位に入賞。第20回ボルドー国際音楽祭で 銀賞を受賞。昭和63年にウイーン市立音楽院を修了して帰国。群馬交響楽団のコンサートマスターを 皮切りに、平成3年に読売日本交響楽団のコンサートマスターとして活躍、平成9年にはNHK交響楽団の コンサートマスターに就任。その他、全国のオーケストラと協演、ソロ・リサイタルの他、室内楽 活動にも力を注ぎ、ハレーSQ/アンサンブルSAKRAのメンバーとして活躍する傍ら、東京ジュニア オーケストラ ・ソサエティの芸術監督として、後進の育成にもあたっている。


103:瀬川祥子

 (1968(昭和43年推定)〜)東京生まれ。

4才からVnを始め、鷲見三郎/小林健次/江藤俊哉に師事。 昭和53年小学校5年生の時、全日本 学生音楽コンクール小学生の部で一位を受賞。昭和61年に桐朋学園高等学校音楽科を首席で卒業。 続いて大学ディプロマコースに入学。第3回日本国際音楽コンクールで奨励賞受賞。

 その後モスクワ音楽院、パリ国立音楽院第3課程他で学ぶ。ベルリン芸術大学を卒業し、 国家演奏家資格を取得。昭和63年ヴィオッティ国際Vnコンクールで最高位(1位なしの2位)を獲得。 モスクワ・フィルハーモニー/モスクワ放送交響楽団/ジョルジュ・デュマ・オーケストラ (ルーマニア)他と協演。ソロ活動でもロシア/フランス/ルーマニア/ポルトガル/インド/等で 活発に行っているが、室内楽奏者としても、ヨーロッパ各地で活躍している。ヨーロッパでは、 ワレリー・クリモフ/レジス・パスキエ/トーマス・ブランディスに師事。


104:服部穣二

(1969/1/21(昭和44年)〜)東京都生まれ。
 5才から母親から手ほどきを受ける。「母;植野豊子=服部・・・服部セイコーグループオーナー 一族」。8才の時ウイーンに移住してからはキュッヒエルに師事。ミネアポリス音楽大学に入学。 平成元年第4回メニューイン国際Vnコンクールに優勝して一躍注目を浴びる。そして同年イギリスで デビュー、以後メニューイン指揮で協奏曲を弾く機会に恵まれる。

 平成2年スケベニンゲン国際音楽コンクールで第2位に入賞。平成3年第2回モーツアルト国際 音楽コンクールで2位に入賞。ロイヤル・フィルハーモニー/オランダ放送交響楽団/ウイーン 室内管弦楽団等の有名オーケストラと協演し、ヨーロッパで高い評価を受ける。平成11年より リサイタルと室内オーケストラを組み合わせて年2回程度行うコンサートシリーズを開始する。

 平成13年に東京アンサンブルを結成する。その他にオックスフォード大学国際関係大学院で 文化人類学の研究にも携わっている。現在英国王立音楽院の客員教授も務める。


105:山本薫

(1970(昭和45年:推定)〜)富山市生まれ。
 幼少よりVnを始める。昭和63年東京芸術大学音楽学部付属高校を経て、東京芸術大学に福島賞を 得て(奨学金)入学。平成3年全日本モーツアルト・コンテスト第1位。平成4年東京芸術大学 大学院からドイツミュンヘン音楽大学に留学。平成5年にはドイツ、フライブルグ音楽大学大学院に 進む。平成7年メンデルスゾーン・コンクールで1位を獲得。同年フライブルク音楽大学大学院を 首席で修了。そして世界の名器貸与コンクールに挑戦して一位になり「ロレンツォ・グアダニーニ 1743年製」を貸与される。

 また同平成7年ヴィオッティ・国際音楽コンクールSQ部門で最高位入賞(1位なしの2位)、 翌平成8年にはドイツ:ラインツクラップ(ライオンズクラブ)国際Vnコンクールでも最高位 入賞(1位なしの2位)。同年ドイツ政府演奏家国家試験に合格し、各地で世界的な音楽家との 演奏が可能となる。またオーストリアのブラームス国際音楽コンクールで「特別ブラームス賞」受賞。

 室内楽でも積極的に活動しており、アグラヤカルテットを結成。平成9年にはフライブルグ音楽 大学ソリストコースをソロ・リサイタル・オーケストラと協奏曲を独奏して、学内選考3部門全てに 審査員全員満点の首席で修了。平成10年にはチャイコフスキー国際音楽コンクールに挑戦したが、 セミ・ファイナリストに終わる。また平成10年よりドイツ黒い森のベルナウと云う町で催される 音楽祭の講師を務める。

 平成14年にはアグラヤカルテットをバイエルン国立歌劇場オーケストラのメンバーにより 新結成して、更に活動を広げる。現在ドイツを拠点にヨーロッパ各地でリサイタルを始めベラ・ ムジカに所属して大学教授陣等と幅広く活躍している。シュトゥットガルト国立歌劇場オーケストラ 団員。これまでにVnを大澤和夫/鷲見健彰/澤和樹/浦川宜也/ベラ・カトーナ/グントナー/ ニコラス・チュマチェンコ/に師事。


106:伊藤奏子

 (1970(昭和45年推定)〜)宮古市生まれ。
   5才よりVnを始める。桐朋女子高等学校音楽学科を経て、パリ国立音楽院、ボストン・ニュー イングランド音楽院アーティストディプロマコースにて研鑽を積む。日本では梅村功二/板谷英紀/ 久保良治/久保田良作に師事。
 ヨーロッパではミッシェル・オークレール/室内楽をエリック・オーセンブリッスに師事。 セミナーでピンカス・ズーカーマンにも師事している。

 平成2年ドイツ、ションタル国際コンクールで優勝、併せて自由曲最優秀賞を受賞。平成3年ニュー ヨークにて日米協会コンクールに入選。平成4年ニュージーランド、第1回レクサス国際音楽Vnコンク ールで第2位に入賞。平成5年第49回ジュネーブ国際音楽コンクールVn部門で第2位に入賞。平成7年 にはこれらの活躍に対して宮古市民奨励賞を受賞。

 平成8年日本で本格的な日本デビューを果たし、この演奏に対して「音楽の友」誌に平成8年度の コンサート・ベスト・テンに選ばれるなど、絶賛を博した。これまでにスイス・ロマンド管弦楽団 /アマデウス室内管弦楽団/イギリス室内管弦楽団/ルーマニア放送交響楽団/大阪センチュリー 交響楽団/ウイーン弦楽ゾリステン/レニングラード国立歌劇場管弦楽団/読売日本交響楽団/ 東京シティ・フィルハーモニー管弦楽団/東京交響楽団/大阪シンフォニカ等々と協演すると共に、 欧米各地でリサイタル等でも非常に積極的に活躍している。CDのリリース、FM放送、TV放送にも 出演している。

 平成12年にはカンザスシティ交響楽団のコンサートミストレスに就任、現在アメリカとイギリスを 本拠地にコンサートミストレス、ソリスト更に室内アンサンブル「モビウス」のメンバーとしても、 世界各地で演奏活動を行っている。


107:幸田聡子

(1971(昭和46年推定)〜)豊中市生まれ。
 3才よりVnを始める。小学時代から多くの賞を受賞。昭和56年全日本学生音楽コンクール小学生の 部西日本で優勝。昭和58年、中学の部でも3位に入賞している。昭和59年にはポーランドの ヴィエニアウスキー・ジュニアVnコンクールでテレマン特別賞を受賞している。平成元年には 日本モーツアルト・コンクールに入選。平成5年に東京芸術大学音楽学部を卒業。卒業後初の リサイタルを開きデビュー。その後関西を中心に各地でサロン・コンサート等の経験を重ねた後 神戸市室内合奏団のVn奏者、京都チェンバーオーケストラのアシスタント・コンサートミストレスなど で活躍。平成8年東京、大阪、京都でのリサイタルが高く評価されて青山記念音楽賞を受賞する。

 平成9年に仲間とサンガ・サラスバティSQを結成して京都府民ホールアルティでデビューコンサートを 開き室内楽でも活躍を始めている。彼女はCDリリースが多く、美空ひばり「川の流れのように」/ 美空ひばり・オン・Vnを皮切りに、平成15年の「日本の旅情」に至るまで、3年余りで実に11枚の CDをリリースしている。
これまでに、久合田緑/原田幸一郎/宋倫匡/影山誠治/小栗まち絵/フェリックス・アーヨに 師事。


108:五嶋みどり

  (1971/10/25(昭和46年)〜)枚方市生まれ。
 五嶋みどりは、優れたVn教師であった母親の五嶋節にその才能を見いだされて、4才時に手ほどきを 受ける。6才の時にはもう大阪弦楽協会のコンサートでパガニーニの奇想曲を弾いてソリストの仲間 入りをする。昭和55年にジュリアード・音楽院のドロシー・ディレイに彼女の演奏したテープを送り、 それを聴いたドロシイに招かれて、昭和55年10才の時母親と共にアメリカに渡る。そしてジュリアード 音楽院の特別奨学生となりドロシイの薫陶を受ける。

 昭和57年にズビン・メータが彼女の演奏を聴いて感動し、由緒あるニューヨーク・フィルハーモニー 管弦楽団の大晦日コンサートに予告なしのソリストとして急遽招かれる。この時の演奏が素晴らしく、 聴衆のスタンディング・オベーションを受け、世界の檜舞台へと躍り出るきっかけとなり、以来 アイザック・スターンらとも共演、昭和60年にはレナード・バーンスタインと共に演奏旅行で世界を 巡っており、名実ともに世界的Vn奏者の仲間入りを果たす。公演中にVnの弦が2度に亘って切れた際、 団員のVnと取り替えて貰い、見事弾ききったと言う話は、有名なエピソードである。

一時帰国して、レナード・スラットキン指揮のセントルイス交響楽団と大阪/東京で協演して 満員の聴衆をうならせた。平成2年にはカーネギーホールに初出演して絶賛される。彼女が過去20年間 に多くの主要アーティストと共演した。

 指揮者ではレナード・バーンスタイン/ズビン・メータ/クラウディオ・アバド/小澤征爾/ サイモン・ラトル/マリス・ヤンソンス/レナード・スラットキン、
   器楽奏者ではアイザック・スターン/ピンカス・ズーカーマン/ヨーヨー・マ/
 オーケストラではニューヨーク・フィルハーモニー/ベルリン・フィルハーモニー交響楽団/ パリ管弦楽団/コンセルト・ヘボー管弦楽団
 等がある。

現在も活発に演奏活動をしている傍ら、みどり教育財団を設立した。この財団は音楽教育を中心に 子供自身が自己の尊厳を高め多様性に気づく事を目指したものである。CDはフランスもののソナタ アルバム、ヴィエニアウスキーVn協奏曲No1.、最近ではモーツァルトのシンフォニー・コンツェル タントをクリストフ・エッシェンバッハ、今井信子と共演したものが出ている。

  受賞等:昭和62年 第38回芸術選奨文部大臣新人賞。
     平成1年 ドロシー・チャンドラー芸術賞。
     平成3年 第1回アジア系米国人栄誉賞(ニューヨーク州)
     平成4年 第7回京都音楽賞。
     平成6年 第25回サントリー音楽賞。
     平成8年 国際交流奨励賞。
     平成13年リンカーンセンターよりエヴェリー・フィッシャー賞。
          アメリカ音楽賞の年間器楽奏者賞を受賞。
 楽器;林原財団から終身貸与されたガルネリ・デル・ジェス「ギブソン」
        アントニオ・ストラディヴァリウス「ジュピター」を使用。

109:野口千代光

 (1971(昭和46年推定)〜)東京生まれ。
 2才からVnを始める。全日本学生音楽コンクール小学生の部で第2位。日本音楽コンクール入選。 東京芸術大学に進学の後、ジュリアード音楽院に学び、平成3年にジュリアード・コンチェルト・ コンペティションで優勝してリンカーンセンターのアリス・タリー・ホールでコンチェルトで デビューを果たした。
 その後アーティスト・インターナショナル・オーディションに優勝してヤング・アーティスト デビュー賞を受け、カーネギーホールでデビューを飾り好評を博した。ジュリアード音楽院を卒業後 東京芸術大学に復学し首席で卒業した。

 平成8年日本演奏連盟主催のリサイタルで日本デビューの後、ヴィニエアフスキーコンクールで 特別賞を受賞。ソリストとして東京都交響楽団と協演。アンサンブル奏者としては東京ゾリステンの コンサートミストレスを務め。紀尾井シンフォニエッタ東京のメンバーとして活躍している。  彼女は現代音楽には特に意欲的かつ積極的に取り組み、アンサンブル・ノマド、コンテンポラリーα の重要メンバーとして多くの新作の初演などにも携わっている。また在京オーケストラのゲスト コンサートミストレスに屡々招かれている。

 平成11年に行われたリサイタルでは、全てを無伴奏の現代作品ばかりで構成したプログラムでVnの あらゆる音色や表現の可能性を示し、好評を博した。この様にレパートリーは広くまたソロから 室内楽までオールラウンドな活躍をしている。
 現在桐朋学園短期大学の専任講師として後進の指導にも当たっている。


110:清水大貴

 (1971/3/18(昭和46年)〜)東京生まれ。
 4才でVnを始める。昭和56年桐朋女子高等学校音楽科に入学。江藤俊哉に師事、昭和63年日本音楽 コンクールで第一位入賞併せてレウカディア賞、鷲見賞(国際コンクールの為の特別賞)及び コンクール全部門を通じて最も印象深い演奏をした演奏家に与えられる増沢賞など特別賞を多く 受賞する。平成元年「若い芽のコンサート」でNHK交響楽団と協演。
 同平成元年桐朋学園大学音楽部演奏学科に入学、続いて江藤俊哉に師事する。平成2年台北市立 交響楽団と協演。平成3年東京・芸術劇場、大阪・ザ・シンフォニーホールで安良岡章夫作曲の 「Vnとオーケストラの為の協奏的変容」を初演。

 木曽福島音楽祭に参加、サイトウキネンオーケストラにも参加。世界的にはイギリス/オランダ/ ドイツ/アメリカを巡回するなど活発な演奏活動を行う。また府中市のウイーンホールで コントラバス奏者のゲイリー・カーと共演。平成4年にカザルスホールでギター奏者鈴木一郎と 共演「倉敷音楽祭」にも参加するなど、実に活発な演奏活動を行い、平成5年には桐朋学園大学を 首席で卒業した。そして皇居内で行われた「桃花楽堂音楽会」にて御前演奏を行う。

 その後ウイーン市立音楽院に入学。トーマス・クリスティアンに師事。平成6年クオリティ・オブ・ ライフ文化財団より奨学金を受ける。そしてイヴリー・ギトリスのマスタークラスに参加、 平成9年サルベン(フランス)でリサイタルを行う。また文化庁派遣在外研修員として奨学金を受ける。 平成10年にはアマデウスSQの第一Vn奏者、ノーバート・ブレイニンのマスタークラスに参加。 ウイーン市立オーケストラと協演。フライブルグでリサイタルを行い、同年帰国。


平成15年5月24日  ***編集責任・錦生如雪***


ご感想は、E−mail先 までお寄せ下さい。
音楽よもやま談義のフロントページ を開く。
ハフナ音楽談話室の目次ページ を開く。